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上映作品の紹介「マキシモは花ざかり」
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マキシモは花ざかり
フィリピン/2005年/100分/ドラマ
http://www.blossomingofmaximooliveros.com/

■受賞歴
・WINNER, International Jury Prize, Best Feature, Kinderfilmfest, Berlinale 2006
・WINNER, Teddy Bear for Best Gay Feature, Berlinale 2006
・WINNER, Special Mention, Children’s Jury Prize, Kinderfilmfest, Berlinale 2006
・WINNER, Netpac Jury Prize, Rotterdam International Film Festival
・WINNER, Grand Prize, Best Picture, Las Palmas de Gran Canaria, Spain 2006
・WINNER, Best Actor (Nathan Lopez), Las Palmas de Gran Canaria, Spain 2006
・WINNER, Audience Award, Best Picture, Las Palmas de Gran Canaria, Spain 2006
・WINNER, Best Picture, Turin International Gay and Lesbian Film Festival 2006
・WINNER, Grand Prize, Best Film, Asian Festival of First Films, Singapore, 2006
・WINNER, Best Picture, imagineNative Film Fest Toronto 2005
・WINNER, Golden Zenith Award (Best First Feature), Montreal World Film Festival
・WINNER, Special Jury Prize, Cinemalaya Independent Film Festival 2005, Manila
・WINNER, Best Picture, Urian Awards (National Film Critics Society, Philippines)
・WINNER, Best Independent Film, Star Awards, Philippines

■解説
母親の死後、家の家事を一手に引き受けている少年・マキシモは、オシャレな髪留めを付けてキュートな服を身にまとい、お尻をふりふりさせて歩く“女の子みたいな男の子”だった。そしてそんなマキシモを心から愛する2人の兄と父親。彼等は盗品の携帯電話を売る仕事で生計を立てていた。ある日、マキシモは女装ファッションショーごっこをした帰り道に不良どもから嫌がらせ受けるが、警官ビクトルにそのピンチを救われ、以来彼に好意を抱くようになる。しかし、賄賂で警官たちとうまく付き合っている父親は、真面目な性格のビクトルのことを疎ましく思い…。マニラのスラム街を舞台に、女の子みたいな少年・マキシモの心の成長を色彩豊かな映像とユーモア溢れる脚本で描き、ベルリン映画祭テディ賞を始め、数々の賞を受賞した名作。知り合いばかりだというスラム街の人々の生き生きとした描写、フィリピンの映画賞を総なめにするほどの実力を持つ脚本家による切なく、温かいストーリーで観る者の胸を打つ本作は、惜しくもノミネートは逃したものの、2007年度のアカデミー賞外国語映画賞にフィリピン代表として出品された。

監督のコメント
「私はいつも、革新的なゲイの映画を撮りたいと思っていました。これまでのフィリピンの映画で、ゲイは常に抑圧される側、あるいは抑圧する側として描かれてきたのです。70年代のゲイ映画は、ホモセクシュアルであることの罪悪感がテーマでした。80年代に入ると、ゲイはハンサムなフィリピンの少年たちを搾取する人間として、そして搾取された少年たちはエキゾチックなダンサーかコールボーイになるものとして描かれたのです。残念なことに、ゲイは未だにフィリピンの映画やテレビで、ジョークの対象となっているのです。私は、ありのままの自分で幸せであり、また、ありのままで他人に受け入れられているゲイを描く映画を作りたかった。彼がゲイなのはたまたまであり、映画のメインテーマの一部にすぎない、そんな作品を作りたかったのです。」

■監督情報(監督名・監督プロフィール・監督作品履歴)
*監督名:アウレウス・ソリト

*監督プロフィール:
アウレウス・ソリトはふたつの世界――祖先の部族が生きた大昔の世界と、現代マニラのコンクリートの文明世界――を生きている。彼はこの『マキシモは花ざかり』の舞台となったマニラ中心部、サンパロック地区で育ち、大学在学中に、フィリピン南部のパラワン諸島で自らのルーツを発見した。彼は舞台の台本執筆と演出からキャリアをスタートしたが、自らの部族の昔からの文化と伝統に深く関わるにつれ、その物語を語るには舞台よりもっと大きなキャンバスが必要だと感じるようになる。そこで彼は映画を選んだ。その後短編映画、ドキュメンタリー、ミュージックビデオ作品で数多くの受賞に輝いたソリトは、パラワンの神話と儀式を取り上げた数本組になるドキュメンタリー制作に着手する。しかし、その作業は難航し、しばらく休業していたときに『マキシモは花ざかり』の監督依頼の話が舞い込む。パラワンのドキュメンタリーを自らの映画第一作にと考えていた彼は、それを引き受けるのに多少ためらいがあったという。『マキシモは花ざかり』はソリトが育った地域で撮影された。フィリピンの社会・経済の両極端を見事なまでに体現している地域である。ソリトの両親は裕福な政府公務員で、かつての一家は立派な家に住んでいたという。道をはさんだ反対側はスラム街。「近所の人たちとはいつもいい関係にありました。彼らは金銭的には貧しかったけれど、心は貧しくはなかった。」現在、ソリトは日本財団のアジア・フェローシッププログラムの下、日本の沖縄で活動中である。

*作品履歴:
2005年 マキシモは花ざかり
2005年 Tuli


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by artium | 2007-05-13 01:02 | AQFF/アジアのクイア映画祭


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