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会場の様子をいち早くお届けします!
『東松照明 時を削る』 トークイベントレポート≪前半≫
会期終了間近です!『東松照明 時を削る』7月7日(日)まで。お見逃しないようご来場ください。

6/30には関連トークイベントを開催しました。たくさんのお客さまにご来場いただきました。ありがとうございます。

トークのテーマを『東松照明の見た「日本」』とし、東松作品から日本写真の過去・現在・未来を見据える貴重なお話しを聞くことが出来ました。トークの内容を一部ご紹介します。
話し手の倉石信乃氏(明治大学教授)は、東松照明氏の生前最後の国内発刊写真集である『東松照明写真集  camp OKINAWA』(未来社 2010年)の解説を著した写真評論家です。 東松氏が2012年12月14日に亡くなってからは、朝日新聞(2013年1月16日付夕刊)、現代思想(2013年5月臨時増刊号)に追悼文を寄せています。

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(以下はトークイベント【話し手:倉石信乃氏】の内容を一部抜粋・編集したものです。)
倉石です。今日はお集りいただきありがとうございました。
この展覧会は東松照明自身が代表作を選んでいます。東松照明の業績を振り返る回顧展と言えますし、ご自分でも展示作品をとても大事に思い返す良いチャンスでもあったと思います。

ではまず東松照明という写真家がどうキャリアをスタートさせたか。写真家・東松照明は災害を撮ることからデビューしたと言っても過言ではないと私は思っています。1940年代に戦争によって破壊されてしまった国土がようやく復興に向けて歩み初めていた1950年代に再び自然災害(東松は1953年愛知県に被害をもたらした台風13号直後の様子などを撮影し、岩波写真文庫『水害と日本人』が発表されている)によって破壊されるという、ある意味では二重の破壊の姿というものを見つめる所からキャリアをスタートさせたと考えています。
50年代の災害を記録するということには東松にとって二つの意味がありました。一つはその十数年前に起こった戦争による破壊の記憶を呼び覚ますということ。もう一つは、彼の非常にプライベートな出来事で、水害(1959年の伊勢湾台風)で実家が流されるという体験を経て、失われたものを問いただすということです。

このときの伊勢湾台風のイメージが「家」シリーズを撮る原点だと認めています。しかしながら、実際に「家」という連載は実家が流されたところを撮りに行き、自分の家が失われたことを表現することはしませんでした。どこか別のところに想像上に存在する家を撮影することで記憶を取り戻そうと考えるのです。これは複雑な思考回路だと思います。これについて彼は「私の家は伊勢湾台風で全壊して無くなったわけですが、それで初めて家のイメージが自分の中で芽生えて、芽生えるというよりも潜在的にあったイメージが顕在化して家が撮りたいという気になるわけです。そしてたまたま熊本県の天草に行った時に私のイメージの中の家と出会ったわけです。そんな風に写真家というのは回りくどい手続きを踏まなければならない。違う物で置き換えて記憶や思い出を印画紙にあぶり出す」と言っています。その後の60年代初めは50年の経済成長に拍車をかけるような時代です。経済成長の発展の影で東松が思い描く古い家が失われていくという時代背景があり、「家」シリーズはひとつの記録という意味もありました。東松が撮った家というのは、私たちにとっての失われた家のように感じられるのです。

50~60年代に彼の代表作は集中しています。その中で彼が見つめていたものは端的に言うと廃墟としての日本だったのです。過去として見つめたというよりは、このようなことが将来において起こる可能性があるという未来の予兆としての廃墟というニュアンスも存在していました。それが東松が持っていた迫真力を形作っていると言えます。

『東松照明 時を削る』 トークイベントレポート≪前半≫_f0023676_13493095.jpg


「東松照明の見た『日本』」とは廃墟だった。
代表的なシリーズ「家」を中心に展開された前半は、このようなお話しで一区切り。
東松照明にとってもう一つの重要なシリーズ「基地」については、次回へ続きます。


・・・・・information・・・・・
『東松照明 時を削る』会期終了間近!
■日時: 開催中 →7月7日[日]
 OPEN 10:00-20:00
■入場料: 一般400円、学生300円 
高校生以下・アルティアムカード会員・イムズカード(三菱地所グループCARD)会員無料、再入場可


≪Exhibition Line-up≫
Art Toys World からくりおもちゃの世界展
7月13日[土] - 8月25日[日] 
※休館日:なし
※関連イベントの受付は終了しました。ありがとうございました。

Susan Cianciolo “Objects and Shapes”美しい物たち
8月30日[金] - 9月23日[月・祝] 
※休館日:9月17日[火]

※展覧会の内容・日程は変更になる場合がございます。詳細は今後の案内物やWEBにてお知らせいたします。

by artium | 2013-07-04 19:00 | 東松照明 時を削る


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