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『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』ギャラリートーク/レポートその②
『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』開催中です!(~5/26まで)
ゴールデンウィークは後半に突入しました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

またまたお待たせいたしました。青森県立美術館学芸員によるギャラリートーク/レポートその②<成田亨>をお届けします!
本展は2つのテーマで構成しています。一つはレポートその①でご紹介した“セクション1 建築 V.I.”、そしてもう一つは今回ご紹介する“セクション2 コレクション”です。
青森県立美術館はなんと3,500点を超えるコレクションを所蔵していますが、本展では選りすぐりの作品を“持ってきました”。

(以下はギャラリートーク<トーカー:青森県立美術館学芸主幹/工藤健志さん>の内容を一部抜粋・編集したものです。)
■コレクションについて
青森県立美術館のコレクションは青森県にゆかりのある作家の作品を中心に集めています。多くの美術館の常設展は、近代以降の洋画や日本画の流れといった展示構成をしていると思いますが、青森県立美術館はそのような美術史の流れが分かるような展示にはなっていません。青森ゆかりの作家を一作家一部屋で、個展形式で展示をしています。なぜかというと、青森出身で近代以降の美術史の流れの中に組み込めるような作家が実はあまりいないからです。むしろ抜け落ちています。サブというか本流の少し脇からちょっと茶々を入れるような作家が多いように感じます。それは棟方志功、寺山修司、成田亨、そして奈良美智もそうではないでしょうか。こういった青森の個性を紹介するには個展形式の方がより見えてくるのではないかと展示しています。青森県立美術館は企画展よりも常設展の方がお客さんが入る珍しい美術館です。


■成田亨
皆さんは、成田亨という名前をご存知の方はあまりいないかもしれませんが、彼の仕事は日本人であればみんな知っていると思います。ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンのヒーロー、怪獣、それから宇宙人、メカをデザインしたのが成田亨なのです。とはいうものの特撮の仕事をしていたわけではなく、元々は彫刻家です。当時昭和20年代、彫刻ではなかなか食べていくことができず、生活が厳しいという中で特撮技術の仕事をアルバイトとして始めました。だんだんそちらの方が忙しくなり本業になってしまいました。ただ、晩年まで彫刻作品それから油絵も手がけています。
成田亨以前というのは、ゴジラやキングコングなどがいましたが、ただゴリラを大きくしただけというものがいわゆるモンスターでした。ウルトラマンやバルタン星人のようなヒーローや怪獣のデザインにおいて、成田亨は独自の新しい形を生み出しました。彫刻家なので形にこだわり、誰も見たことのない新しい形を作り様々な怪獣たちが生み出されていったのです。成田亨の描くウルトラマンにはカラータイマーがありません。なぜかというと、宇宙人の服ではなくて生身の宇宙人の体という意識で作っているからです。だから、胸に光るメカニカルなものがついているのはおかしいと最後まで抵抗したそうですが、3分しか変身できないという物語の演出上、そうなってしまいました。ウルトラマンやウルトラセブンなどのヒーローは極力シンプルに、そして怪獣はどちらかというと雑多にするという大きなコンセプトでデザインをしています。そして色々なものを引用しています。例えば植物図鑑やファッション雑誌などに目を通して面白いと思ったものを怪獣デザインの中に取り込んで、くっつき合わせています。例えば‘バルタン星人’は蝉とはさみというのはすぐ分かりますが、‘カネゴン’は頭は貝、口にはがま口のチャックがあります。そして体のフォルムは当時、奥さんが妊娠していたために、妊婦さんのフォルムが造形的に面白いということで怪獣のデザインにしています。‘ダダ’は当時1960年代に流行っていたオプ・アートという国際的な芸術動向のような当時の最先端のアートの動向をデザインの中に取り入れています。そういうことができるのもやはり彫刻家としての資質があったからではないでしょうか。テレビ番組のキャラクターデザインとしてではなく、芸術家の仕事としてウルトラ怪獣原画をご紹介しています。


『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』ギャラリートーク/レポートその②_f0023676_19103884.jpg
トーカーの青森県立美術館学芸主幹/工藤健志さんが成田亨さんのご担当ということで、かなり熱くお話しいただきましたが、割愛させていただきました。もっと知りたいという方はUSTREAM「あおもり県庁なうSPおでかけ版・成田亨の世界」で成田芸術の魅力がたっぷりと紹介されていますので、ぜひこちらもご覧になってみてください。


ギャラリートーク/レポートはまだまだ続きます。お楽しみに!


・・・・・information・・・・・
『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』
■日時: 開催中 → 2013年5月26日[日]
 OPEN 10:00-20:00      ※休館日は5/21[火]
■入場料: 一般400円、学生300円 高校生以下無料、再入場可


≪Exhibition Line-up≫
東松照明 時を削る
6月1日[土] - 7月7日[日] 
※休館日:6/18[火]

Art Toys World からくりおもちゃの世界展
7月13日[土] - 8月25日[日] 
※休館日:なし

※展覧会の内容・日程は変更になる場合がございます。詳細は今後の案内物やWEBにてお知らせいたします。
by artium | 2013-05-03 17:15 | 青森県立美術館展


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