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会場の様子をいち早くお届けします!
今日は、たくさんのお客様にご来場いただいたオープニングレセプション&トークの様子をお届けします!
会場入口では、7つの土地をめぐる最新作にちなみ、7種類のジャムをご用意して皆様をお出迎え。 ![]() 色とりどり、様々な味のジャムを、皆さん絵の具で色を塗るように、楽しそうにパンにのせ、召し上がっていました。 そしていよいよ、皆様の待つ会場へ牛島光太郎さんが入場。 ギャラリートークがスタートしました。 もともとは成安造形大学で彫刻を専攻していたという牛島さん。 なぜ、物と物語を組み合わせた作品をつくるようになったのでしょうか? トークは、ちょっとびっくりするような、そのきっかけのお話からスタートしました。 (以下、「」は牛島さんのお話) ![]() 「僕は、大学ではずっと石彫をやっていました。 言葉に文字を入れるようになったきっかけは…これはどこで話しても冗談みたいな話なのですが、『とかげ』がきっかけでした。 例えば引越しをしたり、就職をしたり、人生において特別なことがある時、自分の心の状態を客観的に知る方法として、夢に出てくる『とかげ』がとても大切な存在なんです。 それでそのとかげを造ろうと思って彫り始めたのですが、半年くらいたつと、とかげと僕との距離はどんどん変わっていきました。ある時ついに喧嘩してしまい、とかげは後ろを向いてしまうのですが、彫り始めたとかげは、当然形を変えることはできません。石を彫っていく作業なので、半年もすればほぼ形ができているんですね。 その時に僕は、当たり前なんですが、彫刻というのはすごく物質的なものなんだな、と思いました。 この、絶えず距離が変っていくとかげを物質的に造るには、どうしたらいいんだろう、という疑問がでてきたのです。石彫は4年間やりましたが、その時、もうやめようと思いました。 それから一週間もたたないうちに、もうひとつ重要な事件が起こりました」 ![]() 「僕は大学1年くらいから小説を書いていまして、『ある状況の中で成立する文章』を書こうと思いました。例えば、朝にしか読めない小説であるとか、恋人と一緒にいる時だけ読んで成立する小説であるとか。それで、やっと完成したのが、夜に読む小説でした。それを大学の友人に渡したんです。『夜に読んで下さい』と。ところがその友人は、授業中に僕の目の前でそのそれをを読んでいるんですね。悪気があったわけではないと分かっていても、ショックでした。印刷された文字は、どこででも、どんな状況のもとでも読まれてしまう。だとしたら、『ある状況の中で成立する文章』を書くには、どうしたらいいんだろう…。 そこで、彫り終えたとかげに、初めて文字を貼ってみたんです。批判も受けましたが、ぼくはその時、新しい価値のようなものに触れられたような気がしました。『文学と彫刻』『物質とイリュージョン』様々なキーワードで言えると思いますが、物質的なもを作りながら物語のようなものを作れないかと思って、2003年から『scene』という作品を作り始めました。」 牛島さんは、その後このシリーズを5年間、35作品制作しました。 そして台湾で、現在制作している『意図的な偶然』シリーズをつくるきっかけとなる貴重な体験をします。 これは、アルティアムのホームページやチラシにも掲載しているひとつの物語です。 「2007年、僕は展覧会のためにドイツに行くことになりました。 その頃は京都に住んでいたのですが、旅立つ前日の飲み会で、京都の友達がギターの絵を描いて僕にくれました。その絵をなんとなく捨てずにポケットに入れて、ドイツに旅立ち、アパートに着いたのですが、そこがあまりに殺風景で…たまたまズボンのポッケに入っていた、そのギターの絵を貼りました。 そして、10ヶ月がすぎ、帰国する日。 部屋の掃除をして、最後に残ったのがそのギターの絵でした。その時も捨てようかなと思いましたが、今まで持っていたし…と思ってポッケに入れました。それで福岡の実家に帰って、荷物の整理をしていると、またポッケから、当然ギターの絵が出てくるんですね。これはもう捨てられないなと思い、台湾で展覧会をする際にも持って行き、スタジオに貼っていました。 そんなある日…」 ![]() 「イギリス人のキュレーターが、スタジオに遊びに来てくれました。そして『そのギターの絵はなんだ』と聞くので、僕はつたない英語で、でも丁寧に、これまでの経緯を説明しました。日本の人に話すと割とすぐに理解してもらえるのですが、彼にはなかなか理解してもらえませんでした。『アーティストが描いたものなのか?』『価値があるものなのか?』『じゃあ、大切にすることもないんじゃないか?』って。 いや、そうじゃなくてこれはお守りみたいなものなんだって、かなり話をしたのですが、結局は通じませんでした。僕の英語能力も大きく関わってくる問題だと思いますが、僕はこの時、なにか大きなものに触れたような気がしました。 今もポッケに入っているこのギターの絵は、言ってみればゴミみたいなものなんですね。 それが価値のあるものになった時の、そのことをもう少し作品で探っていけるのではないかと思いました。 それと、自分がこれまで作品にしようとも思わず趣味で拾ってきた様々な物がクロスし、今の『意図的な偶然』という作品になりました。制作を始めてまだ1、2年の若いシリーズですが、今回はこの展覧会で、このシリーズを体系的にお見せすることができればと、展示構成を考えました。 ![]() 最初に拾った物があって、ここでは“なんだろう?”と思って入る方がほとんどだと思います。 それが展覧会を全て見て、最後のスペースで、作品が最初とは違って見えたり、別の視点で見えたとしたら、それは新しい価値というか、新しいものの見方、世界の切り取り方を提案できたのではないだろうか、というのがこの展覧会の構成です」 ギャラリートークの後も、牛島さんと作品について熱心に語り合う方や、じっくりと作品の世界を楽しむ方など、時間をかけてレセプションの場を楽しむ方の姿が目立ちました。 様々な物語の中で、どれが好きかという話で盛り上がる方も… 会場では、「scene」など牛島さんの過去の作品をまとめた作品集も販売中。 会期は5月16日(日)までです。 皆様、どうぞお見逃しなく! ![]()
by artium
| 2010-05-05 14:27
| 意図的な偶然 牛島光太郎
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