会場の様子をいち早くお届けします!
今日は、初日に行った銅金裕司氏と藤枝守氏のオープニング・トークの様子をお届けします! トークは二人の作品「Paphio in My Life」の中で行いました。ご覧のように、たくさんのお客様にご来場いただきました。 90年代初頭、出会うべくして出会ったというお二人。 まずは、銅金さんの作った装置「プラントロン」のお話からスタートしました。 (↓写真左:銅金氏、右:藤枝氏) 「プラントロン」とは、植物の体表上の微細な電気変化を音情報に変換するという、人間でいう脳波計を植物に応用したシステム。 「植物に電極を当てるなんて、最初はオカルトみたいに言われた」という銅金さん。 このシステムを作った目的は何だったのでしょうか? 銅金氏「皆さんがこの会場の蘭を見たら、どんな風に見えるのかな?花にもね、“状態”みたいなものがあるんですよ。“様子”って言うのかな。人だとね、“今眠いのかな”とか、“大阪弁の変わった人がいるな”とか、分かるじゃないですか(※銅金さんは大阪弁です)。植物で1番分かりやすいのは、もうすぐ枯れてしまうやつ。そういうことが、見て感じられるかどうかですよね。その辺が、この展示とちょっと関連してるんですよ。 僕達は、ぱっと見た瞬間“こいつ、命短いな、なんとかしよう”みたいな感覚を、みんな持ったらちょっといいね、って思ってる。植物が好きで育てている人は分かるけど、そうでない人はなかなか分からないじゃん。ところが電極をつけてみると、状態が波で表現されるから、分かりやすいんです。僕はコンピューターというものを、植物に限らないんだけれども、“生き物のインターフェイスとしてのコンピューター”という観点で使っているんです」。 そうして生まれたプラントロンによって、音情報に変換された植物の電位変化を、豊かな響きへと転化させたのが藤枝守氏。 「響きとは、ただ聞くだけでなく体感するもの。植物のデータを翻訳して、それをどうこの場所に、そして植物に与え返すかを考え、今回のアナログな装置を作りました」と語る藤枝氏は、これまでにも、ギャラリーの土の中にスピーカーを埋め込んだり、園芸用のダクトを利用して音をはめ込んだり、様々な試みを行ってきたといいます。 今回は「Resonated Strings」という、天井に張ったピアノ線に付着させた多数の透明シートがスピーカーの役割を果たし、響きを分散させる音響システムを会場に誕生させました。(右の写真) 藤枝氏「変容した音のパターンが、まさにズレを含んだ多面的な響きとして上から降ってくる状態、というのをイメージしました。ちょうど我々が森に入った時、風が木を揺らす音、まさに音って降ってくるもの、あるいは、そういう面と面との多面的な世界に置かれている、ということを、この音響システムで表現しました」。 会場に入ると、まるで雨のように優しい音が降りそそぐ、不思議な感覚を体感していただけます。 その中で人が話したり、動いたり、蘭に触れたりすると、その変化が蘭に伝わり、その影響を受けた音がまた降ってきます。 銅金氏「ここで1番大切なのは、これが普通の音楽のライブと違うのは、みんなここにある植物の中に、僕らも入っちゃってるってことなんです。技術的な問題から、たった2本の植物のデータしかピックアップできなくて、でもそれがあるってことは、植物の視点というのか、植物側から我々のこの世界の評価にかかっているということ。人間同士のそれではなく、その環境を彼らがどう見ているか…」 藤枝氏「つまり植物に視点を置くことで、今までの人間的なコミュニケーションから関係も変わっていくわけですね。それがないと、プラントロンがここにある意味もない」 銅金氏「そう、その視点もありつつ、僕らがどう関わっていけるかということが決定的に重要になってくるんです」 ここではトークのほんの一部をご紹介しましたが、会場ではパフィオの話や“ズレ”が生み出す豊かな音、実用的な植物の活用術まで幅広いお話を聞くことができました。立ち見のお客様も多数おられたなか、皆さんの真剣なまなざしも印象的でした。 次のイベントは、3月7日(土)に予定している「珪藻土を聴く」。 展示作品「珪藻土の声」によるサウンド・パフォーマンス、および珪藻土をテーマにしたトークを行います。皆様ぜひこの機会に会場へお越し下さい! ・サウンド・パフォーマンス:藤枝守 ・トーク:坂口光一(九州大学工学研究院教授) 河辺哲次(九州大学芸術工学研究院教授) 藤枝守
by artium
| 2009-02-27 11:38
| Mind in Sound
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