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カテゴリ:ノルシュテイン&ヤールブソワ( 12 )
ノルシュテイン 作品上映会を追加します!
毎週土日に開催しているノルシュテインの作品上映会。
ご好評につき、急きょ、会期最後の週末(11/27、28)に、追加上映が決定いたしました。
2日間の上映スケジュールは以下のとおり。
皆様、ぜひご来場下さい。(※オレンジ文字が追加上映)

《上映スケジュール》
13:00-Aプログラム
14:10-Aプログラム

16:00-Bプログラム
17:10-Bプログラム

《上映作品》
・Aプログラム…約63分
 「25日 ー最初の日」9 分
 「ケルジェネツの戦い」10 分
 「キツネとウサギ」12 分
 「霧の中のハリネズミ」10 分
 「冬の日[発句]」2 分
 「外套」(部分)20 分

・Bプログラム…約61分
 「アオサギとツル」10 分
 「話の話」29 分
 「冬の日[発句]」2 分
 「外套」(部分)20 分
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by artium | 2010-11-25 14:45 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン展 感想帳から
大変好評いただいている本展も、いよいよ今週末(11/28)までとなりました。
会場には、何度も再入場なさる方や、どれほどノルシュテインが好きか、受付で熱弁を振るう方など、大変多くいらっしゃいます。中には、感動のあまり「気絶するかと思った」と言うお客様も。
今日は、皆様の思いの丈のつまった感想帳の中から、いくつかご紹介したいと思います。

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●『外套』のアカーキーや他のキャラクターの動きに見とれてしまいました。
アニメーションにこんな世界観のあるものを初めて知りました。
そのこだわりが大変興味深かったです。

●『外套』を見ました。アニメなのに表情が細かくて、ちょっと怖いと思うほどでした。

●ノルシュテイン氏の「同じことを繰り返すのは能力のない証拠。アニメも様々な描き方を模索する必要がある」という言葉が印象に残りました。
僕も手描きのアニメを自主制作しており、生涯心の糧になる展覧会であったと感じております。

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●動きの生々しさがまるで生きているようでした。
ずっと見ていられる絵でした。

●『キツネとウサギ』パイプをすうダンディなオンドリにほれました。赤いブーツもステキです。
本気で「がんばれ」と応えんしてしまった。

●『外套』初めて見ました。
なんであんなにしぐさや表情がリアルに描けるの?
しょぼくれたじいちゃんのアカーキーがかわいくて愛しくなってしまう。

●『霧の中のハリネズミ』細い足でトテトテ歩く姿に抱きしめたくなしました。痛いけど。

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●『外套』のアカーキーが、鼻、耳を触るところや、紙に筆をのせるところ、こんなにも質感が伝わってくるアニメは初めて見ました。
無声アニメも初めてで、映像にのめりこんでいく感じがしました。不思議な気持ちになりました。

●鳥肌が立ちました。あの表情、何十年も生きてきた人間のしわ…。
「私は最後の野蛮人だ。棒を持って『わーっ』と叫んで走り回る」。
私もそんな野蛮人で勇者でありたいと思います。

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●『話の話』に惹かれる理由…。それは多分、よくわからない不思議さ」を感じているからでしょうか。インタビューで、この作品は「永遠」がテーマだと言われていました。
「永遠」?!ますます分からなくなってしまいました。

●『話の話』…「永遠」がつまっていると再確認できた!

●ロシアの風景の冷たさと怖さをかいま見た気がしました。
怖い中にもどこかユーモラスさもあって、なんだか懐かしい気分でした。

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★「ノルシュテイン&ヤールブソワ展」はいよいよ11月28日まで! 
・11月25日(木)18:30-:ノルシュテインナイト
・11月27日(土)、28日(日)13:00-:Aプログラム、16:00-:Bプログラムを上映
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by artium | 2010-11-24 11:53 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン オープニングトーク【最終回】
初日に開催した籾山晶夫氏によるトークイベントの様子をご紹介する第5回目。
今日はいよいよ、未完の傑作『外套』についてのお話をご紹介して、このシリーズを終わりたいと思います。

その前に、『外套』についてのご説明を少しだけ。
原作は、19世紀ロシアの偉大な小説家のひとり、ニコライ・ゴーゴリが1841年に書き上げた短編小説です。物語の舞台は、19世紀後半のロシア、ペテルブルク。50歳を過ぎた、しがない公文書の清書係のアカーキー・アカーキエヴィチが、こつこつと貯めたお金で新調した外套を強盗に奪われ、追い剥ぎの幽霊となって人々の外套を奪い、復讐するという物語です。

ノルシュテインは1980年に『外套』の製作に着手しますが、ロシアという国に事情に加えて、映像の完成度を追求するあまり、現在も未完成のままで、誰もその全貌を知ることはできません。
トークでは、『外套』に対するノルシュテインの思いの強さが伝わってくるエピソードが紹介されました。


5.未完の傑作『外套』に対するノルシュテインのこだわり
※「」内は籾山氏のお話
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「上の写真は、アルティアムに展示している巨大なマケット『ネフスキー大通り』の上に展示されている、『街の上の赤ん坊アカーキー』という作品です。
『外套』はまだ製作途中ですので実際どうなるか分かりませんが、この場面はおそらくその冒頭のシーンになるだろうと言われています。ヤールブソワが描いたもので、ペテルブルグの街並みを上空から眺める赤ん坊のアカーキーが描かれています。

そして、次の写真がそのもととなったノルシュテインのデッサンです」

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ノルシュテインは、主人公・アカーキー・アカーキエヴィチというキャラクターを徹底的に追求して、彼が幼い頃はどんなだったんだろう、と追求を深めるあまり、ついにはその生まれる前までいってしまったのです。その時に、ダヴィンチの『解剖手稿』を参考にしたのだと思われます。

また、動作の探究につても、ノルシュテインは徹底しています。下の写真は、主人公のアカーキーが毛布にくるまる場面ですが、まず裸のアカーキーを描いて、これに毛布をくるませていくということを行なったのです。

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「でも、これだけではもの足りません。
ノルシュテインは、実際に自分がアカーキーになりきり、毛布にくるまり、それをカメラマンに撮らせる、ということまでして動作の研究をしているのです」


会場では、ノルシュテインが描いたアカーキーのデッサンも多数展示しています。

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また、『外套(部分)』(20分)を常時上映しています。
アカーキーのリアルな動きや、言葉を失ってしまうような強い表情からは、この作品に対するノルシュテインの愛情の深さを感じさせられます。
ぜひ会場でお楽しみください。

限られた時間の中で、講議のような、内容の濃いお話をして下さった籾山氏。
「イメージには、たくさんの記号が含まれています。そしてそれを読み解くと、様々なことが分かるのですが、それがなかなか難しい」
と、トークの最後にお話されました。
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ノルシュテインの作品の中にちりばめられた「記号」。
このブログでご紹介できたのはそのほんの一部に過ぎませんが、新たな視点でノルシュテインの作品を楽しむきっかけとなれば幸いです。

★「ロシアアニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ展」は、11月28日(日)まで!どうぞお見逃しなく!


【画像】(上から)
・「街の上の赤ん坊アカーキー」1984年[F.Y.]
・「アカーキーの誕生」1985年[Y.N.]
・「毛布にくるまるアカーキー・アカーキエヴィチ」1985年[Y.N.](2点)

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by artium | 2010-11-19 16:55 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン オープニングトーク【第4回】
初日に開催した籾山昌夫氏によるトークイベントの様子をご紹介する第4回目。
第2回目のお話で、ノルシュテインの初期の作品には、1920年代のロシアを中心としたアヴァンギャルド芸術からの引用が多く見られたことご紹介しました。
ここからは、後期の長編アニメーション作品『話の話』『外套』のイメージの引用についてのお話をご紹介したいと思います。


4.『話の話』の中のイメージの引用について-ノルシュテインの家族の物語
※「」内は籾山氏のお話

「後期のアニメーション作品『話の話』『外套』には、ノルシュテインの身の回りのこと、これにプラスして美術の歴史上の傑作からの引用も多く見られます。

有名なものですと、1979年に制作された『話の話』の、赤ちゃんが母親のお乳を吸うシーン。この母親の乳房は、フィレンツェのサン・ロレンツォ教会にある、ジュリアーノ・デ・メディチの墓の上に造られたミケランジェロの彫刻から引用しいているものだと、ノルシュテインは繰り返し述べています。
一方で、赤ちゃん。
この赤ちゃんは、ノルシュテインとヤールブソワの最初の子ども、ボリスの顔なんです。

『話の話』は、ノルシュテインの家族の物語です。
ただし、世代を超えて、普遍的なものを引用することによって、家族というものを永遠化・普遍化しているのです。


例えば、下の写真」
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「家の戸口にオオカミの子が佇むシーンに出てくる、古い家。この家は、ノルシュテインが2歳から26歳までを過ごしたマ−リナ・ローシャ村の自宅とそっくりです。

そして次の写真は、『話の話』で実際に使ったセルを貼り合わせて作られた『冬の古い家』というコラージュです」
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「この作品の中の『おばあさん』『木の上に止まっているカラス』を記憶しておいて下さい」
籾山氏は、このシーンのイメージがどこからきたものか、辿っていきました。

「下の作品は、1955年、ノルシュテインが14歳の時に描いた『暖炉の前のおばあさん』という作品です」
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映画には、この頃ノルシュテインが描いた油絵が引用されているんですね。
ノルシュテインの14歳の頃といえば、繰り返しになりますが、ちょうど父親を亡くした頃です。
『話の話』にこの頃の思いが詰まっているとしたら、その中の『エピソード〈日曜日〉』と呼ばれるシーン(下の写真)には、ノルシュテインの家族、とりわけ、父親の家族が重ねられているのではないかと僕は思っています。

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もちろん、ノルシュテインにはお兄さんも妹もいたわけですから、この3人の家族がそのままノルシュテインの家族ではないんでしょうけれども、戦争から帰ってきて、木工工作機械の整備工として働いていた父親についての、決して多くはないであろう記憶が、こういった親子の場面に重ねられているのではないかと思っています。

そして次に、『カラス』。こちらは下の写真、1959年、ノルシュテインが18歳の頃、サユーズモリトフィルムでアニメーションを学び始めた時期に描いた絵画からの引用です。
タイトルは『雪をかぶった木の上のカラス』。

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まさにこういった作品が、時を経て彼のアニメーションの中に取り込まれていくことになります。
それだけではありません。
『雪をかぶった木の上のカラス』は、19世紀のロシアを代表する画家・アレクセイ・サヴラーソフの『ミヤマガラスの飛来』という有名な作品と、よく似ています。この作品は、当時からロシアの典型的な風景を描いた作品としてとても有名で、ロシア人なら多くの人が知っている絵です。つまり、『話の話』の『カラス』というのは、ロシア人にとってはある種の郷愁を抱かせてくれる記号である訳です。

次の写真は、アルティアムには展示されていないのですが、『話の話』の中の『真昼』というマケットです。

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このシーンは、『永遠』のエピソードと呼ばれています。
漁師が魚を捕って、妻が揺りかごをゆらし、幼子をあやす。そして、詩人が創作をしていて、旅人が通りかかると、この漁師が“ぜひ一緒に夕食を食べて行かないか”という。そしてまた、旅人は去っていく。
これがノルシュテインの描く理想的な人間の営みな訳です

家族の、そして人間の普遍的な幸せを、いくつものエピソードを重ねながら描いた『話の話』は、様々な解釈ができ、何度見ても新たな発見がある作品です。
会場では、今日ご紹介したノルシュイテンの貴重な油彩作品も展示していますので、ぜひアニメーションと併せてお楽しみ下さい。

次はいよいよ最終回、30年前から現在も製作が続けられている『外套』のお話しをご紹介いたします。

★『話の話』は以下の日時にご覧いただけます。 
・会期中の土日 16時− Bプログラム
・11月25日(木)18:30− ノルシュテインナイト


【画像】(上から)
・映画にもとづくマケット「古い家の戸口に立つオオカミの子」2000年[F.Y.&Y.N.] ※会場展示写真
・映画にもとづくコラージュ「冬の古い家」1979年[F.Y.&Y.N.]
・油彩「暖炉の前のお婆さん」1955年[Y.N.] ※会場展示写真
・映画にもとづくエスキース<日曜日>、「冬の公園の家族」2005年[F.Y.] ※会場展示写真
・油彩画「雪を被った木の上のカラス」1959年[Y.N.] ※会場展示写真
・映画にもとづくマケット「真昼」2000年(1979年)[F.Y.&Y.N.]

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by artium | 2010-11-15 15:22 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン オープニングトーク【第3回】
初日に開催した籾山昌夫氏によるトークイベントの様子をご紹介する第3回目。
今日は、モスクワにあるノルシュテインのアトリエの様子からご紹介します。

3.ノルシュテインの製作の裏側
※「」内は籾山氏のお話
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「上の写真は、モスクワのスタジオの撮影台で、『外套』を製作しているノルシュテインです。
カメラは上の方につけられていて、何枚ものガラス板が水平に並んでいます。
このことからこの撮影台のことを、複数の平面を意味する“マルチプレーン”と言います。

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ノルシュテインがサユーズムリトフィルムで『外套』の製作に着手したのが1981年のこと。
ところが、ノルシュテインと当時カメラマンだったアレクサンドル・シュコーフスキーが自分たちで設計して使っていた撮影台が、その5年後、1986年に別の製作チームに割り当てられてしまうのです。

なぜそんなことが起こってしまったかというと、実はこの1年前にゴルバチョフ政権が誕生して、経済政策と経済原理が導入され、制作開始から5年たっても完成しないノルシュイテンの『外套』は、後回しにされてしまったのです。

もちろん、ノルシュテインは、そんなこと納得できるはずもありません。
そこでノルシュテインとヤールブソワは、1989年にサユーズムリトフィルムを辞職し、その2年後に“ユーリー・ノルシュテイン財団”を設立します。モスクワ郊外のアパートの上下2階分をぶち抜いてスタジオを造り、新たに2台の撮影台を組立て、製作しているというのが、現在の状況です。
写真は小さい方の撮影台です。大きい方の撮影台は、色々なものが陰になり、写真に収めることができない状況です」

会場では、このマルチプレーンを展示用に再現したマケット(模型)を展示しています。

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実際にご覧いただくと、重なっているガラス面のそれぞれの層に、背景やキャラクターなどが配置され、奥行きが表現されているのが分かります。
それだけではありません。ぜひ会場で見ていただきたいのが、細かいパーツに分かれたキャラクターのつくりです。

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写真のように、『霧の中のハリネズミ』の主人公・ヨージックは、頭、胴体、両手、両足、針、と主に7つのパーツに分かれており、よく見ると、細かく動かすためにさらにいくつもの関節があることもお分かりいただけると思います。
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ノルシュテインは、ガラス面に配置された背景やキャラクターのパーツを少しずつ動かすことで、あの独特の情景や表情を生み出しているのです。キャラクターの所作についての徹底的なこだわりは、トークの最終回、『外套』についてのお話しでもご紹介いたします。

ちなみに、『霧の中のハリネズミ』は、このトークの時にとったアンケートの結果、最も人気の高い作品でした。ぜひ、マケットやデッサンなど、会場でしか見ることのできない製作過程と併せてお楽しみください。

★『霧の中のハリネズミ』は、以下の日時にご覧いただけます
・会期中の土日 13時− Aプログラム
・11月25日(木)18:30− ノルシュテインナイト

【画像】(上から)
・撮影:みやこうせい 
・撮影:みやこうせい 
・映画にもとづくマケット「ハリネズミの後を歩くミミズク」 2000年(1975年)[F.Y.&Y.N.]
・「霧の中のハリネズミ」ヨージックのディテール

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by artium | 2010-11-08 15:52 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン オープニングトーク【第2回】
初日に開催した籾山昌夫氏によるトークイベントの一部をご紹介する第2回目。
前回は、アニメーションに向かう前のノルシュテインが画家を目指していたというお話しでした。
今日はその続き、サユーズムリトフィルムでアニメーターとして活躍するようになった頃のノルシュテインと、ロシアアヴァンギャルド芸術の関わりについてのお話しをご紹介いたします。


2.ノルシュテインの作品とアヴァンギャルド芸術の関わりについて
※「」内は籾山氏のお話

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「ノルシュイテンの映画を、可愛らしいなぁ、とか、楽しいなぁ、とか、そんな楽しみ方も、もちろんいいと思います。でも、ノルシュテインの創造を、もっと深く理解しようと思ったら、もしそこに、何か隠された記号のようなものを読み解こうとするならば、美術史の知識が多少は役に立つのではないかな、というのが今日のお話の内容になります」
と籾山氏。

籾山氏は、1964年に描かれた《二重肖像》など、世界初公開作品をふくむノルシュテインの絵画作品と、パウル・クレーやカール・シュミット=ロットルフなどの作品と比較しながら、その類似点を指摘していきました。

「私がここで言いたいのは、決してノルシュテインがこれらの作品を見て描いたということではなく、この頃のノルシュテインの関心が、1920年代のアヴァンギャルド芸術にあった、ということです」
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「アヴァンギャルド芸術とは、大雑把にいうと、本物らしく再現するというようなアカデミックな表現を時代遅れのものとして、新しい、実験的な表現を追及した芸術運動です。ロシアでもヨーロッパでも、大体20世紀の最初の30年間に盛り上がり、ロシアではソビエト政権崩壊によって、1930年代の半ばに否定されてしまいます。

中でも1967年に制作されたノルシュテインの初監督作品『25日-最初の日』には、アヴァンギャルド芸術、とりわけロシアのアヴァンギャルド芸術が多用されています

籾山氏は、『25日−最初の日』のシーンと、ロシアアヴァンギャルドの芸術家たちの作品の写真を並べ、その類似点を指摘していきました。
『25日−最初の日』に出てくる赤い建物のシーンと、ウラジーミル・タトリンの《第三インターナショナル記念塔》の模型。『25日−最初の日』の武装した労働者の群像表現と、アレクサンドル・デイネカの《へトログラード防衛》…
次々に紹介されるどの作品も、本当によく似ています。
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「『25日−最初の日』は、ノルシュテインがこれまで関心をもっていた、ロシアをはじめとするヨーロッパのアヴァンギャルド芸術から様々に引用したイメージで構成された、ある意味で、“アヴァンギャルドのコラージュ”のような映画になっているわけです」

作品タイトルの25日とは、旧暦で1917年10月25日、ロシア革命が起きた日のことです。
皆様、ぜひその創作の背景もふまえ、お楽しみ下さい。
次回のお話では、ノルシュテインの製作の裏側に迫ります!

★『25日−最初の日』は以下の日時にご覧いただけます
・会期中の土日 13:00− Aプログラム
・11月25日(木)18:30− ノルシュテインナイト

ちなみに、現在福岡市美術館では、2011年『シャガール ロシアアヴァンギャルドとの出会い』展を開催中です(2011年1/10まで)。ロシアアヴァンギャルドの芸術家たちの貴重な作品も展示されていますので、興味のある方はぜひ足をお運び下さい。
福岡市美術館 http://www.fukuoka-art-museum.jp/
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by artium | 2010-11-02 15:16 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュイテン オープニングトーク【第1回】
今日は、初日に開催したオープニング特別上映&トークイベントの様子をお届けします!
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大好評だった籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)のトークイベントは、様々なテーマで展開されました。アニメーションを作る前のノルシュテインについて、アヴァンギャルド芸術との関わりについて、『話の話』『外套』の中のイメージの引用について…。

まるで講義のような濃い内容で、熱心にメモを取る方の姿や、トーク終了後、籾山氏を囲んで質問や感想を語り合うのお客様の姿が目立ちました。

このブログでは、そのトークの一部を、5回に分けてご紹介したいと思います。
※「」内は籾山氏のトークの中から抜粋したものです


1.アニメーションをつくる前のノルシュテインについて
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「皆様こんにちは。今日は『美術史から見るノルシュテインの創造』というテーマでお話しさせていただきます。
まずはなかなか知られていない、アニメーションをつくる前のノルシュテインについてご紹介したいと思います。

上の写真、右が皆様ご存知、ユーリー・ノルシュテイン。左が、フランチェスカ・ヤールブソワ。愛称はフラーニャ。『フラーニャと私』という本がありますが、これはヤールブソワのことです。

ノルシュテインは、1941年生まれ。ヤールブソワはその1歳下の1942年生まれです。二人は、1967年に結婚しました。ちょうど、ノルシュテインが最初のアニメーション『25日−最初の日』を作り始めた年です。ヤールブソワはその時すでに、ロシアでは絵本の装丁画家としてある程度名の知れた存在でしたが、ノルシュテインとの結婚を機に、彼が務めていたアニメーションの製作会社に入り、1978年に製作された『キツネとウサギ』から、美術監督して作品に携わるようになります。

ノルシュテインがもともとのアイディアを練って、ヤールブソワがそのイメージを描く。そしてノルシュテインがそのイメージを動かす、こういう風に、夫婦二人三脚で作品を作ってきた訳です。

次の写真は、ノルシュテインが14歳の時に描いた自画像です」

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「1955年、この作品が描かれた年に、ノルシュテインは父親を亡くしました。とても悲しそうな顔をしていますよね。荒々しいタッチで、大胆に光と陰を描いた、とても印象的な作品です。

この頃、ノルシュテインは画家を志していました。アニメーションに向かう前のノルシュテインは、実は画家を目指していたんですね。
翌年からノルシュテインは、美術大学に入学するため、児童美術学校という美術の予備校のような所に通うようになります。後に奥さんとなるヤールブソワもそこに通っていました。二人は幼馴染だったんです。

そしてそこで、ノルシュテインはアヴァンギャルド芸術というものを知ったと語っています。それについてはまた後でお話します。

美術を学んできたノルシュテインですが、1958年、残念ながら美術大学の受験に失敗してしまいます。それで、昼間は家具工場で働き、夜間にまた美術学校に通うようになります。
そして1959年、18歳の時からサユーズムリトフィルムの附属コースでアニメーションを学び始め、1961年からそこのアニメーターとして様々な監督の作品に参加するようになります」

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お話しはここから、初期のノルシュテインの作品と、ロシアアヴァンギャルド芸術の関わりについて広がっていきました。

それについては次回ご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

【画像】
ノルシュテインとヤールブソワ:撮影 みやこうせい
ノルシュテイン《14歳の自画像》1955年

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by artium | 2010-10-31 12:05 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイングッズ、入荷しています!
バタッ!

「ここはどこ?私は誰?!

…あっ!」

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チェブラーシカ!!(ロシア語で“ばったり倒れやさん”の意)
という事は、ここは…
ロシアアニメーションの巨匠・ノルシュテイン&ヤールブソワ展の会場ニワね~!!

やっと、やっとここまでたどり着いたニワ!

何を隠そうハニワたちは、この会場を目指してはるばるロシアからやって来たニワ!

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ちなみに私も、ばったり倒れてチェブラーニワニワ!」

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前置きが長くなりましたが、今日は併設のショップで販売している展覧会関連グッズをご紹介します!
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展覧会限定図録やDVD、ヤールブソワの絵が美しい絵本、ポストカード、ハリネズミのヨージックのぬいぐるみなど、ほかではなかな手に入らないグッズも多く、大変人気です。
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特にDVD『冬の日』は、会場特別価格の5%引きにてご購入いただけます!
ぜひこの機会に、貴重なノルシュテイングッズをゲットしてください☆
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by artium | 2010-10-25 15:39 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン&ヤールブソワ展、スタートしました!
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会場には、ノルシュテインが監督したアニメーション映画の絵コンテやデッサン、模型のほか、ヤールブソワによるエスキース(映画のイメージのために描かれた絵画や、映画制作後に描かれた作品)など、約120点を一堂に展示しています。

写真は、会場に展示している模型のひとつです。
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一度見たら忘れられない、ノルシュイテンのアニメーションの不思議な動き。
まるで実写のようにも見えるリアルな動きが、実はコンピューターを一切使わず、すべて手作業で、切り絵によって表現されていることを皆様ご存知でしょうか?

模型をのぞくと、セルロイドのパーツを組み合わせて作られたキャラクターや、数枚のガラス板に立体的に配置された背景などをご覧いただけます。ノルシュテインは、これらのパーツをピンセットなどで少しずつ動かしながら、あの繊細な表情や微妙な動きを表現しているのです。

会場では、作品ごとにその創作の過程をご紹介しています。
主人公・ヨージックの活躍が可愛らしい『霧の中のハリネズミ』、ロシアの民芸芸術に縁取られた『キツネとウサギ』、「歴史上、世界最高のアニメーション」と評された『話の話』…


そして、会場の一番奥には…


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30年もの間制作が続けられている未完の傑作『外套』の、夜の街並みが広がります!
まるで主人公・アカーキーの暮らすロシアのペテルブルクへ迷い込んだよう。
ぜひ会場でお楽しみください。


この空間では、『外套』のほか様々なノルシュテインのアニメーション映画もお楽しみいただいています。
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平日と土日で上映作品は異なりますが、本展のチケットは会期中何度でも再入場できますので、ぜひご活用下さい。上映スケジュールについては、以下の記事をご覧下さい。

http://artium.exblog.jp/14544677/


大好評だったトークの様子や、会場限定グッズについては、また次の機会にご紹介しますので、どうぞお楽しみに!はにわも登場しますよ☆


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by artium | 2010-10-21 15:34 | ノルシュテイン&ヤールブソワ
ノルシュテイン オープニングイベント残席わずか!
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開催を待ち望む声をたくさんいただいている、「ノルシュテイン&ヤールブソワ」展。

展覧会の初日(10/16)には、東欧のアートを中心に研究を続け、ノルシュテインのアトリエを訪れた籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)をお招きし、「オープニング特別上映会&トークイベント」を開催します。

上映会では、籾山氏が選んだ特別プログラム(※7作品/約90分)の上映のほか、「美術史から見るノルシュテインの創造」をテーマに、これまで展示されなかった未公開作品や、ノルシュテインのアトリエの様子などを、スライドを交えながらご紹介します。

ノルシュテインの作品やその背景をより深くお楽しみいただける、この日しか聞くことのできない貴重なトークイベント!
残席わずかとなってまいりましたので、このブログをご覧の皆様、ご興味のある方はぜひお早めに、お電話にてお申込み下さい。

皆様のご来場を心よりお待ちしております!


◆オープニングイベント概要 
・日時:10月16日(土)13:00~16:00
(上映約90分、休憩15分、トーク約60分)
・会場:セミナールームA(イムズ10F)
・話し手:籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)
・参加費:300円(会場借用費として頂戴します)
※要電話予約
三菱地所アルティアム(092-733-2050)にて受付中

画像:映画のエスキース「ウマと川の中のハリネズミ」1975年[F.Y.]
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by artium | 2010-10-07 10:40 | ノルシュテイン&ヤールブソワ