会場の様子をいち早くお届けします!
カテゴリ:ForRent!ForTalent!5( 14 )
FOR RENT! FOR TALENT!5 クロージングトーク
お待たせしました!
今日は、「FOR RENT! FOR TALENT!5」最終日に開催した、早川直己氏と池内務氏のトークイベントをレポートいたします。
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トークは、早川さんのインスタレーションの中で行いました。
白熱するトークを繰り広げるお二人と、バックに映し出される映像、音楽。
作品についてはもちろん、公募展に対する考えや、コンピューターで制作した作品を美術作品としていかに残していくか、はては「この世の成り立ちはデジタルか、アナログか」といった壮大なテーマにまで発展した約1時間のトーク。

「打ち合わせなしで、ここまで内容の濃い話ができるなんて…」
池内氏も思わずもらしたトークの一部を、ご紹介します。

池内
早川さんの作品は、すごくクールな構造を持っているんだけど、独特の生々しい部分があるように思います。先日、映像のもととなる数式を持ってくるところで、ある種直感的なところから入っているというお話を伺いました。まずはその辺についてお話いただけますか?


早川
僕は、高校の時に数学の授業を受けていて、数学の先生が言った『数学は美しい』という言葉に感銘を受け、それで数学を使ってなんとか美術表現をしたい、というところから現在の表現に至ります。
その時に、やっぱり最初に深い感動があるんですね。
数式を見つけて、『あっ、この公式は、一見関係なさそうなものをイコールで関連付けている、しかもシンプルに。なんて素晴らしいんだろう』と、感動するんです。
それで、こんなにも感動する力をもっているのなら、コンピューターに入れて表現したら綺麗なものができるんじゃないかっていう、出たとこ勝負というか、運任せというか、そういう形で入っていくんです、最初は。それで徐々に調整しながらやっていくんですけど、やっぱり美しい数式というのは、美しい造形を生み出す力を持っているように思います。

池内
数式を持ってきて…それがこうした作品に至るまでのプロセスを、簡単に教えていただけますか?


早川
何年か前までは、数学の美を表現しようと、そればかり思っていたんです。それが去年、オーケストラのバックで映像を流すという経験を機に音楽理論を取り込むようになり、表現がどんどん進化していきました。数学と音楽は同じものだとよく言われるのですが、プログラム上でも、数学の美を表現する前に、数学を一旦音楽に置き換えているんです。音を美しく響き合わせるため、周波数をピタゴラス音律に含まれる数比関係(調和比、幾何比、平均比)にあてはめ音楽を作り、その音データをもとに映像を作っています。この映像は、実際は、xy平面になっていて、例えばこのグラフの中で、x=0、y=0.1とした時には、最初の音が0、2つ目が0.1の周波数として次の音を計算していき、その結果がどうなるかによって、ドットを打つか打たないかを決めていくんです。それが最終的に一枚の図柄になり、数字を変えながらそれを何百枚も作り、パラパラ漫画の要領で映像にしているわけです。(と、席を立って解説する早川氏↓)
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池内
プログラミングというのは、ここの点とここの点の条件が揃ったらこういうことをしなさい、というのが、基本的な構造じゃないですか。それを要は、数学的…むしろ音楽的ですよね、その条件にそろえていくと、自動的にこういう画面になって出てくると考えていい訳ですね。


早川
そうですね。だからプログラミングに人間の作為みたいなものは全く入れずに、数式のみでどうなるか、ということをやっています。グラフィックソフトなども使っていません。ただ、そのままやってもあまり美しくならない可能性が高くて、だから僕は、音楽だけでなく、量子力学や相対性理論、力学など、科学が自然を表現するための方法論などもプログラムの中に取り入れ、より美しい表現になるようにしています。自然のものをどう使うか、その関係性を解釈するのが僕の仕事だと思っています。

池内
世の中の自然の要素というのは、全部数学で表現できるという側面もあるかと思うのですが、そう考えると、かなり自然なこと、ということになりますね。


早川
僕は、数学というのは言葉だと思っています。言葉には、それぞれの言霊というか、魂があるように思います。今お話したような作業をすることで、数学という言語が持っている言霊が自動的に現れてくると考えていて…。それは僕の心の支えでもあって、数学の持つ不思議な力を信じて制作しているので、見ていただく方にも、『人間の外にある、訳の分からない豊かなもの』をご覧いただけるようにしたいと思っています。

池内
最初に数学があって、それが音楽化されて、音楽がさらにビジュアルな作品に変化して、その裏側には数学の持ってる言葉があるって、お互いが常に行き来している、そういう中で作品をつくっているのですね。


早川
そうですね。関係している、ということが大事で。数学自身も、全てをイコールで結ぶ力があると思っています。僕も、このテーブルも、コップも、見た感じ全然違うもの同士なんだけれども、これらを数学で表現することで、イコールで結ばれ、ひとつにすることができる。実際に自然科学ではそういう作業をしていて、一言で言うと『統一理論を探す』ということなのですが、宇宙の全てを何かしらの数式を持って表現しようという方向性があって、数学という言葉には、そういった特に強い言霊があると思います。
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池内
僕はずっと数学は落第生だったので、いま、非常に有難く聞いているのですが…、学校では、先生に尻たたかれながら問題を解いて、数学のもつ文学性みたいなものは理解されにくいように思います。僕も理解できているわけではありませんが、感覚的に、今早川さんがおっしゃったようなことはすごく伝わるような気がします。
では、それをなぜ、ビジュアルな形で表現しようと思ったのですか?


早川
それはやはり、自然そのものが持っている美ですね。僕は小さい頃、豊かな自然に囲まれて育ったので、よく一人でリュックを背負って、虫や植物などを採りに行ったりしていました。
そういうことが表現の入り口にあって、その後高校で数学の美に触れて、こんなにも美しいのだったら何か美しいものができるはずだって、それだけで美術へ走ったんですけど。

池内
虫や花など身の回りの自然がベースになってて、それを例えばそのまま絵にするのではなく、数学的な表現とリンクしていって、こういう表現に至ったということなんですね?


早川
そうですね。そこにまた感情的なものがあって。例えば知らない山に入っていくと、お花畑みたいな所が突然現れたり、思わぬ出会いがあります。その感覚と、数式をコンピューターに入れて、出てきた模様に驚くことはよく似ていて、その喜びが制作の原動力になっています。自分で1から100までつくると新鮮味がないけれど、どんな模様が出るんだろうって思いながらつくっていると、自然なものを採ってくる時と同じ喜びがあって、自分自身も鑑賞者というか、受身な形でできているのが嬉しい、というのはあります。

池内
早川さんの作品は、数学的な部分に感覚的な部分で手を加えていく、そういうことを徹底的に排除しています。それはグラフィックソフトを一切使わないことも裏付けになっていると思いますが、そのシンプルさこそ、彼の作品の強みであり、魅力です。
審査の時も、これだけストレートにこういった表現を見せていける、この度胸ってもっと評価されるべきなんじゃないかという話がありました。今回のインスタレーションも、非常に力強く、シンプルです。余計なことを一切しない強み、そういったものが、彼の良いポイントではないかと思います。

では最後に、早川さんに今後どういうことをやっていきたいのかを聞いて、終わりたいと思います。


早川
今回この空間は、『ピタゴラス礼拝堂』というテーマでつくったのですが、今後は『礼拝堂』というコンセプトだけでなく、本物の礼拝堂のような空間をつくりたいと思っています。僕は、生きている幸せの尺度というのは、自分自身と世界がどれだけ深い関係を取り結ぶことができたか、ということにかかっていると思っています。数学は、さっきも申しましたように、いろんなものをイコールで関係づける力を持っています。今の世の中のありようというのが、コンピューターのせいでバラバラになってしまっている現実もあるので、僕は逆に、コンピューターに数学という言語を入れることで、バラバラになったものがつながっていく、そういう空間を実際につくってみたいし、そういった生の現象を、実際に起こしていきたいと考えています。
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by artium | 2009-12-09 13:48 | ForRent!ForTalent!5
早川直己個展 感想帳から
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「FOR RENT! FOR TALENT!5」第2期、早川直己さんの個展もいよいよ今週日曜日(22日)までとなりました。会場では、映像作品(8分間)を何度も繰り返しご覧になり、長い時間その世界を楽しむ方の姿も目立ちます。明るい現実に戻ったとき、すごく遠くまで旅してきたような気持ちになる、不思議な世界。皆様、ぜひご覧下さい。

今日は、場内に置いている感想帳の中からいくつかご紹介いたします。

●外に広がっていくようであり、内に向かっているようであり、不思議な感覚でした。宇宙がそこにありました。

●「星」が水のような胎児のような…誕生の大本みたいなものを自然と連想してしまいました。不安になりつつも離れづらい空間でした。

●観ていて、自分の意識が切り離されていくのが分かりました。遠い所に連れて行かれるような…。妙に心地良かったです。

●ランダムに動く液体が万華鏡のようでした。宇宙や時の流れを感じました。

●宇宙空間を感じました。
小さな核が分離して一つの大きな華となる、神秘の世界です。

●早川さんの作品の中でも、森、宇宙が生まれてくる映像が好きです。一瞬、時間と場所を忘れてしまいました。

最終日には、審査員の一人、池内務氏とのトークも開催いたします。一体どんな話が飛び出すのでしょうか。皆様、この機会にぜひご来場下さい。

★For Rent! For Talent! 5 ギャラリートーク
ゲスト:池内務(株式会社レントゲンヴェルケ 代表取締役)
    早川直己(For Rent! For Rent! 5 グランプリ受賞者)
日時:2009年11月22日(日)16:00 - 17:00
料金:無料(※予約は不要です)

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by artium | 2009-11-20 17:28 | ForRent!ForTalent!5
「FOR RENT! FOR TALENT!5」第2期スタート!
今年の「FOR RENT! FOR TALENT!5」でグランプリを受賞した早川直己さんの個展がスタートしました!写真は、会場の様子。
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会場の壁面、足下など3つのスクリーンに、調和比による森の映像、幾何比による天空の映像、平均比による水面の映像を投影し、それぞれの映像のもととなった音楽もお楽しみいただいています。
会場の奥へ進むと、映像の中に吸い込まれるような、不思議な感覚もお楽しみいただけますよ。

まるで別の世界に迷い込んだような、神秘的な「数学美術」の世界。
ぜひ会場で体験してみて下さい!


★会期は11/22(日)まで! 11/17は休館
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by artium | 2009-11-10 20:32 | ForRent!ForTalent!5
FR5 ギャラリートーク<5>
「FRFT5」展も、いよいよあと1週間を切りました。
2週間の会期はあっという間です。
このギャラリートークもいよいよラスト、岡本純一さんの作品をご紹介します。
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真っ暗な会場内。
進んでいくと、障子戸からわずかにもれる外の光。
障子戸から差す光は幻想的で、まるで「鶴の恩返し」の主人公のように、思わずその向うをのぞいてみたくなります。

この障子戸を開けると、その向うには…

「今回の作品は、美術空間と日常の空間の境界に作品を設置することで、そのふたつをつなげようと思っています」
と岡本さん。

この障子戸は、実はギャラリーの一番奥に作った壁に取り付けられていて、その向うは共用通路。
いわばギャラリーとその外の空間の、ちょうど境目に作られています。
障子戸を開けると、外の通路を通る人と目が合う…なんてこともしばしば。

「美術空間は、一般的に美しいものを鑑賞するところです。しかし壁一枚をはさんでその裏側には、梱包材などあらゆる消耗品が詰め込まれているのが現状です。劇場で言うと、舞台裏みたいな。舞台装置に見る表裏の構造は、現代社会のあらゆる構造につながります。僕は作品の中にそういった状況を全て取り込みたいと思っています。それこそが、世界の成り立ちであるということを」

この作品は、ギャラリーの外側からもご覧いただけます。
明るい光のなか、露になった板や止め具など“舞台裏”をご覧いただける仕組みです。

「美術というと、美術空間の中にものがあるのが当たり前ですが、僕は最近、できればものを増やさずに、人の感覚、知覚に訴えかける作品を制作できたらいいなと考えるようになりました。
…僕の与えられた空間には物がありません。観念を境界の外へ逃がすための装置があるだけです。しかしそこは、鑑賞者が美しい物事を想像するのにふさわしい空間ではないかと思います」

同じ一枚の障子戸なのに、見る位地が変わっただけでこんなにも感じ方が変わるなんて不思議です。
アルティアムと外の空間の境界に現れた、両者をつなぐ不思議な障子戸。

ぜひ皆様、会場で体験してみてください。(下の写真は岡本さん)

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岡本さんホームページ
http://okajun.net/

★FOR RENT! FOR TALENT!5 第1期は11月2日(月)まで!
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by artium | 2009-10-27 15:46 | ForRent!ForTalent!5
FR5 ギャラリートーク<4>
次にご紹介するのは、グランプリを受賞した早川直己さんの作品です。
展示作品「ピタゴラス礼拝堂」は、数学者ピタゴラスが編み出した音律の関係式を音楽に置き換え、その音データをもとにフラクタル図形を生み出し、宇宙や星、森、水面など、私たちの住む世界をイメージした映像を展開させていくというもの。

その美しさに、時間や場所を忘れて見入ってしまったという来場者の声もよく聞きます。
でも、何度聞いても不思議です。
数式が、こんなにも美しい世界を表現した映像に換わるなんて。
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早川さんが「数学で美術をやろう」と決めたのは、高校の頃。
「数学は美しい」という先生の影響だったそうです。
数学を応用して美術作品にするため、大学は物理学科に進み、フラクタル図形に出会いました。
そして去年、オーケストラのバックに舞台美術として映像を流したことを機に、音楽理論を取り込むようになりました。

「数学に、自然科学、音楽という理論を加えることで、表現がより具体的に、強いものになっていきました」
と表現の経緯を語ってくれました。

「小さい頃から自然の持つ構造や色彩が大好きで、いつまでも見ていられる」という早川さん。
美しい数式を見つけ、映像に変換することで現れる有機的なフォルムとの出会いは、まるで子どもが虫を捕まえる時のような本能的な喜びがあるといいます。

「最初に、数学という自然を記述した抽象的な言語があり、そこから光が生まれ、星が生まれ、さらにこういう具体的な世界が広がっている…そういう世界観を表現しています。数学という、あまり人から好かれない素材を使っている分、見ているだけで気持ちいいという作品にしたいと思っています」

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映像の最後に、「私たちは音楽からできている宇宙を生きている」というメッセージが入ります。

「世界はあらゆるものが、美しい音楽でできているということを、感覚として伝えられるようにしたいと思います。
これは、ピタゴラスも同様のことを語ったといわれているのですが、世界の、宇宙の動き、星の動きはすべて、音楽の中にも見られるように、美しい比率によって成り立っていると。
実際には、まったくその通りでないかもしれない。でも、方向性としては、現代の科学でもそうなりつつあると思っています。
全てのものが美しい音楽でできていると思うと、嬉しいし、幸せな気分になります。それが見る人に伝わる表現にしたいと思います」


11月2日まで開催中の第1期では、その映像のみを、11月8日(日)~11月22日(日)まで開催される第2期では、会場全体を使って映像と音をお楽しみいただけます。
個展への期待が高まる中、最終日には審査員池内務氏とのトークも決定しました!
これは見逃せません!


まるで、この世の成り立ちを体感するような数学美術の世界。
皆様ぜひご来場下さい。

早川さんホームページ
http://www16.ocn.ne.jp/~fractas/chaosdenaoki/
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by artium | 2009-10-26 15:02 | ForRent!ForTalent!5
FRFT5 ギャラリートーク<3>
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真っ赤な壁紙、大理石をあしらった豪奢な柱、美しい花の絵画、重厚な金縁の額…
ここだけ、場所も時代も異なる別の空間のようです。
この空間を創りだしたのは、石黒昭さん。
なぜ、このような空間を創出しようと思ったのでしょうか?

「このインスタレーションは、花を描いた絵画を皆様にいかに理想的な環境で見てもらうかというところからスタートしました。美術はもともと建築の装飾の一部にすぎなかったという側面があり、モダニズム建築以降は装飾が排除され、機能的、合理的な建物が増え、ギャラリーも現在ではホワイトキューブが前提となっています。
この絵画にふさわしい空間を考えた時、ホワイトキューブ以前のギャラリーの姿がいいのではないかと、たどり着いたのがロンドンのナショナルギャラリーでした。ステンシルで描いた壁紙、大理石塗装を施した柱、その装飾、すべて手作り。絵画の金縁は本物。キッチュな要素を取り入れながらも、その空間のバランスを大切にしています。」

と語ってくれました。
絵画とその回りの空間を同等に捉えるような感覚は、内装の仕上げを仕事としている石黒さんならではのものなのかもしれません。

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「僕は職業柄、空間察知能力みたいなものが少し違うのかもしれません。仕事でお店などをたくさん造ってきたので、これに対してはこういう空間が合うだろう、これを使ったらこんな仕上がりになるだろう、ということがほぼ明確にイメージできます。花の絵を描いた。それにふさわしい空間を考えた。そしてこの空間を創った。それは僕にとってごく普通のことです」

全く違う空間の出現に、来場者からは驚きの声が聞かれます。

「僕はこのインスタレーションを『現代美術として成立しますか?』ということを提案しているところです。これまで絵画はずっと描き続けてきましたが、インスタレーションとして提案するようになったのは、ここ2,3年のことです。今は勉強を重ねながら、新しいプランを練っています」

内装仕上げの仕事で培われた空間に対する鋭い感覚と、現代美術の融合ともいえる作品です。
ぜひ会場でご覧下さい。

石黒さんホームページ
http://ishiguro-ya.com/
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by artium | 2009-10-25 11:11 | ForRent!ForTalent!5
FRFT5 クロージングトーク 開催決定!
グランプリを受賞した早川直己さんと、審査員の池内務氏のギャラリートークが決定しました!
公募展に対する考えや、数学、音楽、アートの関係、早川氏の「数学美術」に関する話など、いくつかのトピックについてお話する予定です。
数学やアートに関心がある方、早川氏の作品に興味をもった方、公募展にチャレンジしている若いアーティストの方々など、ぜひご来場ください!

★For Rent! For Talent! 5 ギャラリートーク
ゲスト:池内務(株式会社レントゲンヴェルケ 代表取締役)
    早川直己(For Rent! For Rent! 5 グランプリ受賞者)
日時:2009年11月22日(日)16:00 - 17:00
料金:無料(※予約は不要です)

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by artium | 2009-10-25 10:14 | ForRent!ForTalent!5
FRFT5 ギャラリートーク<2>
次にご紹介するのは、櫻井裕子さんの作品です。
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同じポースで撮影した2枚の写真を細く裁断し、重なり合う部分だけを編み上げた作品。
1枚には櫻井さん自身が、もう1枚には知り合いの女性が写っているそうです。

「私は、人と関わり合うことにコンプレックスを抱えていました。お互いちゃんと理解し合えたら、物事はどんなにスムーズに運ぶだろうと思うけれど、私は相手を完全に理解できないし、相手からも理解してもらえません。相手と一体化しようと思ってもできないということに気付かされて、この作品に発展していきました」
と語ってくれました。

でも編み上げられた作品は、逆にそのズレが目立ちます。
誰かなようで、誰でもない、重なっているようで重なってない…。
まるで自分自身を取り巻く人間関係を見ているようです。
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「今回展示してみて、編み合わせた時の印象が優しくなったなぁと思いました。
以前はもっと暴力的な感じでした。ずっと抱えてきたコンプレックスが少しずつ解消され、理解できないものは理解できないものとして存在していいんだって、受け入れることができたのかな、と思います。これからは、編み合わせることで新たな存在をつくるというか…手法はこのままで、新しい展開を考えているところです」

人と理解し合うことの難しさ、それでも、つながりたいと願う人の性。
切ないような、愛しいような、何とも言えない気持ちになる作品です。

ぜひ会場でご覧下さい。
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by artium | 2009-10-24 19:02 | ForRent!ForTalent!5
FRFT5 ギャラリートーク<1>
今日からこのブログでも、会場内の作品をご紹介していきたいと思います!
まずは、会場入ってすぐのところに絵画5点を展示している吉見公さん。
写真は、初日のレセプションで作家自身が行ったギャラリートークの時のものです。
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吉見さんの作品を見ていると、まるで絵画が動いているような、不思議な感覚を覚えます。
絵画の中をぐるりと回っているような、描かれた点や線ひとつひとつが、生きて動いているような…。

「ここに展示しているものは、ただの物質という見方もできると思います。絵の具等の物質で描かれた『物』とも言えるし、僕の感覚が表現された『絵画』という見方もできます。
ただの物質の組み合わせが、見る人にその裏側にある何かを感じさせる瞬間があって、その時初めて『絵画』になるのではないかと思います」
と、作品に対する考えを語ってくれました。

絵画を絵画たらしめるものは何なのか、その疑問に迫るため、今は同じ構図で様々な試みを行っているという吉見さん。

「今回の作品のように、まるでイリュージョンのような視覚的効果も、見る人を絵画の『裏側』へと導くひとつのきっかけになるのではないでしょうか。一方で、絵の具の質感を強調した部分をつくり、意識を物質の方にも向けさせています。そうすることで、物質とその裏側の間を何度も行ったり来たりできる作品になっていると思います」
と語ってくれました。

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作品のモチーフは「記憶」。
印象に残った景色や経験をドローイングや写真で積み重ね、その感覚を再構築して構図を決めているそう。
その情景とは、一体どんなものだったのだろう…そんなことを考えながら作品を見ていると、いつの間にかその裏側とこちら側を旅している自分に気付く、不思議な作品です。

ぜひ会場でご覧下さい!
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by artium | 2009-10-24 18:03 | ForRent!ForTalent!5
FOR RENT! FOR TALENT!5オープニングレセプション
「FOR RENT! FOR TALENT!5」スタートしました!
今日は、初日に開催したオープニングレセプションの様子をお届けします!
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最初の写真は、会場で挨拶する審査員の池内務氏と、参加作家の皆さん。
左から、グランプリを受賞した早川直己さん、吉見公さん、石黒昭さん、櫻井裕子さんです。

池内氏は、
「今日ここで、実際に展示された作品を見ての感想としては、まとまりのある、非常に良い
展覧会になったと思います。
僕がファイルを審査した段階で見たかったものを、割とストレートに見ることができました。
審査員というのは、ファイルを見た段階で、ひとつの展覧会をつくっているつもりでやっています。
それがこのようなきれいな形で結実したというのは大変嬉しいことだと思います」
と挨拶されました。


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続いて、作家によるギャラリートークを行いました。
皆さん緊張されたようですが、作品のコンセプトやその背景、制作過程など、興味深いお話が聞けました。(皆さんの人柄も伝わってきました!)






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このギャラリートークの様子は、現在会場で配布中のギャラリーガイドでお楽しみいただけます!
このブログでも順にご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。







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最後にご紹介するのは、レセプションのもうひとつの楽しみ、会場でお出ししたお菓子です。
ピンク色の木の枝に生った、マカロンの実。
今回は、5人の入選作家にちなんで、それぞれの作品の色に合わせた5色のマカロンをお出ししました。
苺・木苺・赤すぐり、林檎と紅茶、塩キャラメル、ショコラセル、抹茶と栗…様々な味をお楽しみいただきました。



FOR RENT! FOR TALENT!5は会期を分けて開催しています。
入選作家5人の作品が見られるのは、11月2日(日)まで。どうぞお見逃しのないように!
第2期では、11月8日(日)~11月22日(日)まで、グランプリを受賞した早川直己さんの個展を開催します。こちらも期待が高まります!皆様ぜひご来場下さい。
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by artium | 2009-10-22 18:38 | ForRent!ForTalent!5