会場の様子をいち早くお届けします!
『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』ギャラリートーク/レポートその①
『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』開催中です!(~5/26まで)毎日たくさんのご来場ありがとうございます。
初日に青森県立美術館学芸員によるギャラリートークを開催しました。大変お待たせいたしました。レポートをお届けします!

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▲トーカー:青森県立美術館学芸主幹/工藤健志さん


(以下はギャラリートークの内容を一部抜粋・編集したものです。)
皆さんこんにちは。青森県立美術館学芸員の工藤と申します。よろしくお願いします。さて、青森には“工藤”という苗字が多く、今回もコレクションの中に工藤哲巳がいますし、今回は展示作品持って来ていませんが、日本画家で工藤甲人という方がいたり、有名なパン屋さんで工藤パンがあったりします。僕も工藤なのですが実は青森ではなく福岡の出身で、久々に福岡に帰って参りました。

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▲ギャラリートーク会場内

さて、今回のタイトルは『青森県立美術館展』です。“○○美術館コレクション展”というのはよくあると思いますが、「美術館展」というのがミソで、非常に珍しい試みです。青森県立美術館は、建築的に風変わりな美術館で、空間までできる限り再現して美術館を丸ごと持ってきましょうというコンセプトでこの企画がスタートしました。

■セクション1 建築 V.I.
最初の部屋には、青森県美術館の空間を再現しました。建築家は青木淳さんという、建築家の磯崎新さんのアトリエにもいらっしゃった方です。コンペで最優秀をとり、設計をすることになりました。このコンセプトスケッチを見るとわかるのですが、土を掘り込んだら溝ができます。その溝に上から白いキューブをガボっと被せるというコンセプトの美術館です。美術館の隣にある「三内丸山縄文遺跡」という縄文の巨大な遺跡の発掘現場を青木さんが実際に見て、着想を得て設計されました。土の壁や床に白い構造体が降りてきています。☆美術館内の様子のイラスト映像が流れています。
部屋の中は真っ白です。壁も床も、なるべく展示の邪魔になるものはなくして、ホワイトキューブの状態です。作品がよく映えるという美術館の一つの大きな特徴になっています。本展では天井までは白くできませんでしたが、壁と床を白くしました。
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▲普段は木目の床なのですが白く、壁もより白くなりました!まぶしい空間です。


デザイナーの菊地敦己さんが V.I.(ヴィジュアル・アイデンティティ)を担当しています。彼は「装苑」という雑誌のデザインをしています。“青森フォント”という、オリジナルのフォントを美術館のために菊地さんが作ってくれました。漢字も英語もひらがなもカタカナも全部、この青森フォントで統一しています。簡単なルールです。水平線と垂直線と斜め45度というこの3つのルールだけでフォントが設計されています。このルールで文字や案内サイン作っています。東京などでも最近カクカクした文字が多いと思うのですが、この流行のきっかけを作ったのがこの青森フォントです。建築もV.I.も評価をいただいております。案内サインまで含めて青森県美術館を味わっていただきたいと思います。
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▲案内サイン。いつもの注意書きだとお見逃しなく。どうぞ細かく隅々までお楽しみ下さい。


ネオンサインは美術館のロゴマークです。方位の北です。青森なので“北”、それから英語の“A”。それから“木”をイメージしています。これも菊地さんがデザインしたもので、美術館の外壁(入口の上)にネオンサインがたくさんついています。建物が真っ白で、雪が降って吹雪くと見えなくなります。見えなくなると困るので、ネオンサインをつけて、入口が分かるようにしています。


ユニフォームはミナ・ペルホネンのデザインです。今回監視スタッフが着ていますが、青森県美で着用しているユニフォームです。水色と茶色というのが美術館のカラーです。ミナ・ペルホネン定番のタンバリンというテキスタイルですが、下の方は継ぎはぎをしています。2006年の開館から7年経ち、だんだんユニフォームが傷んできましたが、新品に取り替えずに、ほつれたところに端切れを継ぎ足してリメイクをして使っています。青森には有名なこぎん刺しという伝統工芸があります。仕事着が破れるとそこに当て布をして長く使っていきます。そういったところに共通の想いがあります。一つとして同じものはありません。


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▲ネオンサインとミナ・ペルホネンのユニフォーム。昨年、当ギャラリーで展覧会『minä perhonen 1995→』を開催し大好評だったミナ・ペルホネン。スカイツリーのユニフォームを手掛けたことで話題でしたが、初めてのユニフォームデザインはこの青森県立美術館のものだったんです。ミナ・ペルホネンがお好きな方は必見です!


青森県立美術館は他では味わえない、体験できない空間ですので、ちょっと遠いですけれども旅行で、ぜひ青森県美に遊びにきていただきたいと思います。


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▲受付の様子もいつもとは違う雰囲気です。入口から見た会場内はお洋服の展示?と間違われる方もいらっしゃいます。奥にコレクションが展示されています。コレクションについてのギャラリートークの様子はまた次回お伝えしますので、お楽しみに!



・・・・・information・・・・・
『青森県立美術館展 コレクションと空間、そのまま持ってきます』
■日時: 開催中 → 2013年5月26日[日]
 OPEN 10:00-20:00      ※休館日は5/21[火]
■入場料: 一般400円、学生300円 高校生以下無料、再入場可


≪Exhibition Line-up≫
東松照明 時を削る
6月1日[土] - 7月7日[日] 
※休館日:6/18[火]

Art Toys World からくりおもちゃの世界展
7月13日[土] - 8月25日[日] 
※休館日:なし

※展覧会の内容・日程は変更になる場合がございます。詳細は今後の案内物やWEBにてお知らせいたします。
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by artium | 2013-04-25 12:41 | 青森県立美術館展


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