会場の様子をいち早くお届けします!
志賀理江子写真展 オープニングレセプション&ギャラリートーク
今日は、志賀理江子写真展の初日に開催したオープニングレセプション&ギャラリートークの様子をお届けします!
下の写真は、会場でお出ししたフード。

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手前は、イチジク、トマト、洋ナシのドライフルーツです。
お客様にも志賀さんにも、大変好評でした。

会場は、平日にも関わらず多くのお客様で賑わいました。
普段のレセプションは、ワインを片手にお話しながら鑑賞する方が多いのですが、今回は真剣に作品と向き合う方が多く、普段とは一味違う静かなレセプションとなりました。

皆さんの待つ会場に志賀さんが登場し、ギャラリートークがスタート!
ここからはその様子をご紹介します。
※「」内は志賀さんのお話を抜粋、編集したものです

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「今日はたくさんの方に来ていただいて感激しています。ありがとうございます。
私は現在宮城県在住で、出身は愛知県です。今、自分の中での日本最南端にいるのですが、『CANARY』の展示でまたさらに色んな所に行けるのが感慨深いです」


通常志賀さんのアーティストトークは、パワーポイントで画像を紹介しながら、「なぜ写真なのか」ということについて2時間以上お話しされるそう。今回はレセプションの席ということで短めに、自身の作品や今回の展示についてお話しされました。

「今回展示している『CANARY』の作品は、2006年から撮影を始め、2008年に写真集を出版した割と昔の作品で、私にとってこの展覧会はそれを振り返るような場だったんです。

これまでの『CANARY』の展示では、写真だけ、映像だけという構成が多かったのですが、色々なことを試してきて、今回アルティアムでは、『CANARY』で撮影してきたイメージに対して、私がどういう検証を行ってきたかということをひとつにして、この空間で、いわば資料展のようにお見せできないかというところから、展示の構想が始まりました」


志賀さんは、プリント、映像、そして言葉という3つのメディアについて、それぞれのコンセプトを語りました。

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「まずプリントがあるのですが、それは額に入れたりするのではなく、手のひらの上に写真があるような、すごく個人的な自分と写真との関係を展示室に持って来たいと考え、このような展示にしました。これだけ大きなプリントだけれども、壁にそのまま貼ってあって、しかも空調で揺れています。

撮った写真がきれいに額に飾って展示してあるということにいつも違和感を覚えていて、ギャラリーという場所でそれを取り払われないかということを常に考えていました。“イメージが持っている暴力”というものも含めて、『CANARY』にはそういう部分もたくさんあるので、今回はそれが前面に出てくるような展示に近づけたのではないかと思っています。写真が、たまたま空調で揺れていることにも大きな意味があるように思います」


次に紹介されたのは、会場の一番奥に展示している映像作品。

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「会場には、『CANARY』収録作品の中から60点を展示していますが、撮影当時、選ばれなかった写真たちは3,000枚から4,000枚に上りました。そういうものをどうするか?何が成功した写真で、何がそうでない写真って、その違いは私の中になくて、それをもう一度、実際の時間軸に戻してみよう、という試みから、この映像作品を制作しました」

映像作品では、1枚1枚の写真が、撮影した時のシャッタースピードと同じ時間、現地の音とともに流れています。撮影したときの志賀さんが見たもの、感じたことを疑似体験できるようなこの作品は、鑑賞者を作品世界のさらに奥へと誘います。

「映像作品を通して、自分が撮影していた時の気持ちを思い出します。1枚の写真の上にある『イメージ』が、私にとって一体どういうことなのか、そのことを徹底的に検証する中で映像作品が流れています」

そして最後に、言葉があります。
テーブルの上にズラリと並べて展示された、『カナリア門』。
言葉と写真で綴られた、志賀さんの最新作です。

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「『イメージ』の裏にあることって一体何なんだろう、ということが自分でも分からなくて、映像を撮ってみたり、撮った写真をもう一度撮ってみたり、様々な試みの中で『言葉』ということにぶつかりました。この本は、言葉でひとつの『イメージ』を探ってみる、ということから始まりました。

本には実際に写真を貼っています。これは“もう一度見た画像”ということで、『CANARY』の写真をもう一度撮影したものです。いわば写真の上の写真作品としてあるのですが、自分の記憶中の『CANARY』の画像にさらに近いものになっています」


展示されたプリントの強烈な色と、本の中の、より志賀さんの記憶に近い写真の色。
ぜひ会場で、比べてみてください。

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『カナリア門』を通して、自分自身やこれまでの活動を振り返り、様々な発見があったと語った志賀さん。

「『カナリア門』は、これから先にこの行為を通して自分がすることを見つけられる、そういう本になりました。なので今回、ひとつのイメージで、言葉と写真と映像という3つの検証を巡る場にここがなれたことをすごく嬉しく思っています。
同時に、これだけ検証しても、こぼれ落ちるものはたくさんあって、それも今回、全てを同じ空間に展示できたことで感じたような気がしました」


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挨拶のあと、1人1人と楽しそうにお話しされていた志賀さん。
閉館までの間、志賀さんの周りから人が絶えることはありませんでした。

展覧会は、3月11日(金)まで。
いよいよあと2日間となりました。
まだご覧になっていない方は、ぜひお立ち寄りください。
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by artium | 2011-03-10 10:10 | 志賀理江子 写真展


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