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会場の様子をいち早くお届けします!
FR5 ギャラリートーク<5>
「FRFT5」展も、いよいよあと1週間を切りました。
2週間の会期はあっという間です。
このギャラリートークもいよいよラスト、岡本純一さんの作品をご紹介します。
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真っ暗な会場内。
進んでいくと、障子戸からわずかにもれる外の光。
障子戸から差す光は幻想的で、まるで「鶴の恩返し」の主人公のように、思わずその向うをのぞいてみたくなります。

この障子戸を開けると、その向うには…

「今回の作品は、美術空間と日常の空間の境界に作品を設置することで、そのふたつをつなげようと思っています」
と岡本さん。

この障子戸は、実はギャラリーの一番奥に作った壁に取り付けられていて、その向うは共用通路。
いわばギャラリーとその外の空間の、ちょうど境目に作られています。
障子戸を開けると、外の通路を通る人と目が合う…なんてこともしばしば。

「美術空間は、一般的に美しいものを鑑賞するところです。しかし壁一枚をはさんでその裏側には、梱包材などあらゆる消耗品が詰め込まれているのが現状です。劇場で言うと、舞台裏みたいな。舞台装置に見る表裏の構造は、現代社会のあらゆる構造につながります。僕は作品の中にそういった状況を全て取り込みたいと思っています。それこそが、世界の成り立ちであるということを」

この作品は、ギャラリーの外側からもご覧いただけます。
明るい光のなか、露になった板や止め具など“舞台裏”をご覧いただける仕組みです。

「美術というと、美術空間の中にものがあるのが当たり前ですが、僕は最近、できればものを増やさずに、人の感覚、知覚に訴えかける作品を制作できたらいいなと考えるようになりました。
…僕の与えられた空間には物がありません。観念を境界の外へ逃がすための装置があるだけです。しかしそこは、鑑賞者が美しい物事を想像するのにふさわしい空間ではないかと思います」

同じ一枚の障子戸なのに、見る位地が変わっただけでこんなにも感じ方が変わるなんて不思議です。
アルティアムと外の空間の境界に現れた、両者をつなぐ不思議な障子戸。

ぜひ皆様、会場で体験してみてください。(下の写真は岡本さん)

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岡本さんホームページ
http://okajun.net/

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by artium | 2009-10-27 15:46 | ForRent!ForTalent!5


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